LeaksParty
縷々道 生我 from fanbox
縷々道 生我

fanbox


初めてカードの大会に出た話(後編)

◆前回までのあらすじ


自分をポケモンカード沼に引きずり込んだ魔王様がさっさと飽きてしまったので、沼に取り残されてしまった縷々道。彼は、一人でデッキをシャカパチする作業に虚しさを感じて、ある大会に出場することにした。その大会は『優勝者』と『トーナメント終了後に行われるじゃんけん大会の勝者』に、時価十数万円(7/1時点)のプロモカードが配られる『争奪戦』だった。一回戦目を勝ち進んだ縷々道だが、果たして。



ビクティニ争奪戦、二回戦が始まった。僕の目の前に現れたのは、スポーツをゴリゴリにやっていそうな筋肉質な青年だった。


『カードゲーム』というインドア趣味には似つかわしくない陽のオーラを纏っていたため、気圧されそうになったが、どうにか好きなジブリ映画を聞くことに成功した。


彼の好きなジブリ映画は『おもひでぽろぽろ』だった。

流石にチョイスが渋すぎる。コイツは只者……いや、マトモではない。


相手が使用したデッキはエルフーンとキュレム……また!?!?

何と、二回戦の相手も、一回戦の相手と同じデッキを使用していた。


ここで、『環境デッキ』について解説をしようと思う。


カードゲームにおける『環境デッキ』とは、大会で結果を残すような強いデッキのことである。僕の事前調査によると、争奪戦における環境デッキは『ゼクロムデッキ』であった。『ゼクロムデッキ』は立ち上がりが遅いため、僕は早々に攻めることができる『ブルンゲルデッキ』を選択したのである。このように、環境デッキの対策をすることを『メタる』という。僕のデッキは、ゼクロムデッキをメタったわけだね。


この『エルフーンとキュレム』という組み合わせは、『ブルンゲルデッキ』のような早期決着を望むデッキには相性が良い。しかし、『ゼクロムデッキ』に有利に立ち回ることは難しい。どうしてここまで、環境デッキに弱いデッキが流行しているのだろう。そう考えた僕は、対戦相手の陽キャに聞いた。


「あの、どうしてキュレムこんなに多いんでしょうね。」


僕がそう聞くと、青年は微笑んだ。


「あ~~、ゼクロムに強いデッキが流行ったんで、皆それに強いデッキを握ってるんですかね。ここ数日は、早々に攻めるデッキの優勝が多かったので。」

や、やられた~~~~~~!!!


どうやら、僕がゼクロムデッキをメタるために、早期決着を望むデッキをせっせと組んでいる一方で、ゼクロムのメタをメタるためのデッキが流行っていたらしい。

何だよメタをメタるって!ウロボロスじゃないか!


とはいえ、勝負を諦める程に不利と言う訳ではない。何度も脳内で行ったシミュレーションの元、どうにかして不利対面に押し勝つことができた。


陽キャはあまりカードゲーム慣れしていなかったようで、細かなプレイミスも多かったように思う。そこを突いて、何とか勝つことができた。


つ、疲れた……。もうキュレムの顔も見たくない。


◆◆◆◆


いよいよ、次は決勝戦である。決勝の相手は、熊のような大男だった。

この男は、確か一回戦目を不戦敗で勝利していたはずだ。


大会にエントリーしたにも関わらず、相手が来なかった場合は不戦勝となる。

つまり、僕たちのトーナメントブロックは、最初から7人しかいなかったのだ。


相手は一勝しかしていないにも関わらず決勝の舞台に立っている。

対する僕は、不利対面を二度覆してきた男だ。


これに勝って、僕はビクティニをトロフィーとして持ち帰る!

※ちなみに、熊の好きなジブリ映画は『ハウルの動く城』だった。


そんな三回戦目の相手のデッキは……

キュ、キュ、キュレム~~~~~~!!!


どうなっているんだ。僕だけキュレムが最強の世界に転生してしまったのだろうか。なんだよ三連続キュレムって。仮にも伝説のポケモンだろ!多すぎる!


しかも、この熊のような男は、やたらとポケカが上手かった。

負けじと僕も不利対面をカバーしようとする。


僕たちの対戦は、凄く時間が掛かった。


そして、時間切れになる頃には、周りに観戦者が集まっていた。どこからか、『ブルンゲルであそこまで耐えてるの凄いな……』と聞こえてきたのは嬉しかった。


結果は、時間切れ。


時間切れになった場合、取得したポイントの総数で勝敗が決定する。

だが、僕たちはポイントの数も同じだった。

その場合、勝負は『じゃんけん』で決まることになる。


僕は、ここにカードゲームをしに来たのであって、じゃんけんをしに来たわけではない。それなのに優勝者がじゃんけんで決まるというのは、少し不服だった。


しかも負けた。一発で負けた。

ついでに、トーナメント後のじゃんけん大会も負けた。


結局、プロモカードを持ち帰ることはできなかった。


だが、じゃんけん大会で一喜一憂したり、不利対面を地力で引き分けにまで持ち込むことができたので、僕は非常に晴れやかな気分だった。


プレイングは良かった。ただ、運が足りなかった。

これは、ゲーマーとしては誉となる負け方ではないだろうか。


そんな、初めての大会出場経験だった。


楽しかった~~~!



追記:その日の深夜雑談配信で、僕は運だけ大三元を出すことになる。どうしていらん所で運が良いのだろうか。配信が終わった後、悔しくて泣いた。








初めてカードの大会に出た話(後編)

Comments

我が名はじゃんけん最弱の男…… 環境は、僕の想像よりもずっと早く回っていたね。

縷々道 生我

もちろん、自分が辛くない範囲でね。 いや、本当に悔しかった。次は勝ちたいな。 アグロの息が詰まる感じが苦手だから、普段はあんまり使わないけど、今回は勝ちに行きました。

縷々道 生我

いやあ~面白かったあ! カードゲーム大会、ジャンケンが強いのも必要なんだねえ メタをメタられて、もうメタメタ(゚∀゚)ナンツッテナー

よーさん

大会参加お疲れ様でした! 新しく、どこかへ飛び込んでいくのって大切ですよね😌 しかももうすぐ勝てそうだったの悔しすぎる、、 次は優勝ですねっ るるどうさんはアグロを使うイメージがなくて、なんだか意外でした!

びい

わかりやすく記事を書くことを頑張った。 いや本当に、なんでその日の夜に運だけ大三元を上がれるんだよ、おかしいだろ。

縷々道 生我

ジブリデッキは本当に万能だけど、めっちゃマイナーな映画が返ってくると精神を乱される弊害もある。 楽しい経験だった!

縷々道 生我

『運も実力のうち』と言いますが、大変悔しい結果になりましたね……………。 ジブリデッキをふんだんに使った コミュニケーションが取れるのも オフラインならではですね! お疲れ様でした🥲

蝶々

あの大三元の裏にこんなバトルがあったなんて……!! 大会お疲れ様でした! ポケカ知らなくても楽しく読めました! ジブリデッキを活かしまくってたのも良かったです。 「あそこまで耐えてるのすげぇな……」と言わしめたのが実力なんだと思います。

墓薙


More Creators