自分をポケモンカード沼に引きずり込んだ魔王様がさっさと飽きてしまったので、沼に取り残されてしまった縷々道。彼は、一人でデッキをシャカパチする作業に虚しさを感じて、ある大会に出場することにした。その大会は『優勝者』と『トーナメント終了後に行われるじゃんけん大会の勝者』に、時価十数万円(7/1時点)のプロモカードが配られる『争奪戦』だった。一回戦目を勝ち進んだ縷々道だが、果たして。
ビクティニ争奪戦、二回戦が始まった。僕の目の前に現れたのは、スポーツをゴリゴリにやっていそうな筋肉質な青年だった。
『カードゲーム』というインドア趣味には似つかわしくない陽のオーラを纏っていたため、気圧されそうになったが、どうにか好きなジブリ映画を聞くことに成功した。
彼の好きなジブリ映画は『おもひでぽろぽろ』だった。
流石にチョイスが渋すぎる。コイツは只者……いや、マトモではない。
相手が使用したデッキはエルフーンとキュレム……また!?!?
何と、二回戦の相手も、一回戦の相手と同じデッキを使用していた。
ここで、『環境デッキ』について解説をしようと思う。
カードゲームにおける『環境デッキ』とは、大会で結果を残すような強いデッキのことである。僕の事前調査によると、争奪戦における環境デッキは『ゼクロムデッキ』であった。『ゼクロムデッキ』は立ち上がりが遅いため、僕は早々に攻めることができる『ブルンゲルデッキ』を選択したのである。このように、環境デッキの対策をすることを『メタる』という。僕のデッキは、ゼクロムデッキをメタったわけだね。
この『エルフーンとキュレム』という組み合わせは、『ブルンゲルデッキ』のような早期決着を望むデッキには相性が良い。しかし、『ゼクロムデッキ』に有利に立ち回ることは難しい。どうしてここまで、環境デッキに弱いデッキが流行しているのだろう。そう考えた僕は、対戦相手の陽キャに聞いた。
「あの、どうしてキュレムこんなに多いんでしょうね。」
僕がそう聞くと、青年は微笑んだ。
「あ~~、ゼクロムに強いデッキが流行ったんで、皆それに強いデッキを握ってるんですかね。ここ数日は、早々に攻めるデッキの優勝が多かったので。」
どうやら、僕がゼクロムデッキをメタるために、早期決着を望むデッキをせっせと組んでいる一方で、ゼクロムのメタをメタるためのデッキが流行っていたらしい。
とはいえ、勝負を諦める程に不利と言う訳ではない。何度も脳内で行ったシミュレーションの元、どうにかして不利対面に押し勝つことができた。
陽キャはあまりカードゲーム慣れしていなかったようで、細かなプレイミスも多かったように思う。そこを突いて、何とか勝つことができた。
つ、疲れた……。もうキュレムの顔も見たくない。
◆◆◆◆
いよいよ、次は決勝戦である。決勝の相手は、熊のような大男だった。
この男は、確か一回戦目を不戦敗で勝利していたはずだ。
大会にエントリーしたにも関わらず、相手が来なかった場合は不戦勝となる。
つまり、僕たちのトーナメントブロックは、最初から7人しかいなかったのだ。
相手は一勝しかしていないにも関わらず決勝の舞台に立っている。
対する僕は、不利対面を二度覆してきた男だ。
これに勝って、僕はビクティニをトロフィーとして持ち帰る!
※ちなみに、熊の好きなジブリ映画は『ハウルの動く城』だった。
そんな三回戦目の相手のデッキは……
どうなっているんだ。僕だけキュレムが最強の世界に転生してしまったのだろうか。なんだよ三連続キュレムって。仮にも伝説のポケモンだろ!多すぎる!
しかも、この熊のような男は、やたらとポケカが上手かった。
負けじと僕も不利対面をカバーしようとする。
僕たちの対戦は、凄く時間が掛かった。
そして、時間切れになる頃には、周りに観戦者が集まっていた。どこからか、『ブルンゲルであそこまで耐えてるの凄いな……』と聞こえてきたのは嬉しかった。
結果は、時間切れ。
時間切れになった場合、取得したポイントの総数で勝敗が決定する。
だが、僕たちはポイントの数も同じだった。
僕は、ここにカードゲームをしに来たのであって、じゃんけんをしに来たわけではない。それなのに優勝者がじゃんけんで決まるというのは、少し不服だった。
結局、プロモカードを持ち帰ることはできなかった。
だが、じゃんけん大会で一喜一憂したり、不利対面を地力で引き分けにまで持ち込むことができたので、僕は非常に晴れやかな気分だった。
プレイングは良かった。ただ、運が足りなかった。
これは、ゲーマーとしては誉となる負け方ではないだろうか。
そんな、初めての大会出場経験だった。
楽しかった~~~!
追記:その日の深夜雑談配信で、僕は運だけ大三元を出すことになる。どうしていらん所で運が良いのだろうか。配信が終わった後、悔しくて泣いた。
縷々道 生我
2025-07-31 16:54:29 +0000 UTC縷々道 生我
2025-07-31 16:53:56 +0000 UTCよーさん
2025-07-22 09:41:37 +0000 UTCびい
2025-07-21 23:01:33 +0000 UTC縷々道 生我
2025-07-21 11:58:54 +0000 UTC縷々道 生我
2025-07-21 11:58:21 +0000 UTC蝶々
2025-07-21 03:10:15 +0000 UTC墓薙
2025-07-20 22:02:35 +0000 UTC