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縷々道 生我 from fanbox
縷々道 生我

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1月に見た映画の感想

1/1 ブラックフォン


新年一発目に見たホラー映画、2022年公開の映画であり、小説版も日本で発売されている。Prime Videoにて視聴。(1/1時点でレンタル400円)


あらすじ:児童連続誘拐犯グラバーに誘拐された少年・フィニー。彼はグラバーが用意した地下室に閉じ込められ、殺されるのを待たなければならない。その時、地下室にある壊れた黒電話から“これまでの犠牲者”からの電話がかかってくる。


電話をかけてきた“これまでの犠牲者”とは、グラバーによって誘拐された児童たちである。彼らは、「自分はこのようにして殺された」「脱出するにはこうしたらいい」とフィニーにアドバイスをくれる。


そう!本作は、これまでに犠牲になった人々からアドバイスを受け、一人の少年が巨悪に立ち向かっていく熱血ホラー映画なのである。


◇キャラクター紹介


・グラバー


連続児童誘拐犯、立ち振る舞いがどことなくヒソカっぽい。子供に希望を持たせた上で絶望に突き落とすのが大好きな変態。毎日手作りの料理とサイダーを振舞ってくれる。


・フィニー


主人公、グラバーに誘拐された。いじめられっ子の陰キャだが、少年野球でピッチャーをしている。『良い肩をしているね』と言われるだけあって、いざという時の爆発力は凄まじい物がある。陰キャでピッチャーって有り得るのか……。


・ロビン


腕っぷしに自信があるフィニーの友達。虐められているフィニーを助けて「今度俺の友達に手を出したらタダじゃおかねぇ!」と漢を見せる。男同士の友情エモを見せつけた10分後くらいにグラバーに誘拐された。


・グウェン


フィニーの妹、見た夢が現実になる『予知夢』能力の持ち主。攫われたフィニーを自分の能力を使って探し出そうとする。いじめられる兄を助けるためにノータイムでその辺の石を拾っていじめっ子を殴りつける瞬発力の持ち主。


・パパ


フィニーとグウェンのお父さん、映画の冒頭でグウェンをベルトで殴りつけるDV親父。だが、その態度にはとある理由があって……。


・子供たち


電話越しにフィニーにアドバイスをする誘拐事件の過去の犠牲者たち。子供ごとに個性があって、それぞれの方法で脱出を試みたりしている。


子供たちから電話が来るたびに、脱出の糸口だ!と思うと同時に、この子たちの感じた絶望に思いを馳せてしまう。果たしてフィニーの運命は……結構おすすめ。

1/2 ミザリー


スティーヴン・キング原作の1990年代の映画。有名なホラー映画で、心霊的な恐怖を描いた同作者の著作・シャイニングとは違い、人間の妄執による恐怖を描いている。Prime Videoにて視聴(1/1時点でレンタル400円)


あらすじ:ベストセラー作家の男性が、雪道で車両事故に遭い元看護士の女性・アニーに命を救われる。両足が動かない作家を献身的に介護してくれた彼女だったが、徐々に言動が狂気に満ちていく……というお話。


表題のミザリーというのは、主人公が書いた作品の主人公である。ちなみにミザリーは日本語で‟苦難”という意味があり、今作の主人公の状況を暗示しているともいえる。


さて、事故に遭った作家に対し、アニーは情緒不安定な一面を見せながらも優しく治療をしてくれていた。しかし、命を救ってもらったお礼にと『ミザリー』の最新作の原稿をアニーが先読みした後、彼女の態度が豹変する。


というのも、アニーはミザリーが好きだったのだが、最新作で彼女が死ぬことが判明。ショックを受けた彼女は、彼を脅して最新作の原稿を焼却させ、ミザリーが死ぬことがない最新作を書くように強要する。


『目の前で完成した原稿を燃やすことを強いられる』という辛さが、同じ文章を書く者として痛いほどわかった。主人公は気丈な作家だったため取り乱すことはなかったが、悲しそうに灰になった原稿を見つめている表情を見て、胸が痛くなった。


それから作家はアニーの家からの脱却を図りながらも、アニーに【ある復讐】を思い付く。この方法は、今の時代に見ても凄く斬新な物であり、彼にしかできない復讐だと凄く感心した。


映画の見どころとして、アニー役のキャシー・ベイツは、本作でアカデミー主演女優賞を受賞した。正気と狂気の狭間に揺れる女性の演技があまりにも上手で、今後彼女が出演する作品を視聴する際には身構えてしまうかもしれない。

1/3 ヴィレッジ


ウォッチリストに長らく残っていたけど、こういう単語題のホラー映画って凄く多いから、以前に見たことがあるような気がして後回しにしていた作品。お正月休みで時間もあったのでAmazon Primeにて視聴。(レンタル400円くらいだったと思う)


あらすじ:1897年のアメリカのお話、森の中で外界との接触を断ち自給自足で生計を立てている村があった。村人は、森に住んでいる『怪物』に襲われることを恐れ、村から出ることを掟によって禁止していたのだが……という話。


厳しい掟がある村を舞台にしたホラー映画ということで、ミッドサマーやグリーンインフェルノのような、人怖系のホラー映画なのかな?と思っていたのだが、全然そんなことはなかった。


むしろ村人同士は大変仲が良く、歪みのない意味で積極的に共同体として幸せになろうとしており、そこはまるで楽園のようだった。


あまりに、楽園のようだったのだ。


ある日、村に住むハンディを持った青年が暴力沙汰を起こし、被害者の治療のために村にはない薬が必要となった。その時、長老会は盲目の少女を外に御遣いに出すことを決意する。そこから話が大きく動き出すのである。


散りばめられた『ふんわりとした違和感』がクライマックスの展開で一気に回収されるタイプの、気持ちの良い映画だった。


オチが全然予想できなかったので、視聴後すぐに感想サイトを漁ってしまった。


幸せの形というのは、人によってこんなにも違うのだね……。

1/4 グランパ・ウォーズ おじいちゃんと僕の宣戦布告


心がざわつく映画ばかりを見ていたので、一服の清涼剤が欲しくなり視聴した人情物の作品……と思っていたのだが、ホームアーロンみたいな罠を肉親に仕掛ける子供と、容赦なく反撃するおじいちゃんのバトル映画だった。何を言ってるかわからないと思うが、僕もわからない。Amazon Primeにて視聴。(確かレンタル400円)


あらすじ:妻を亡くした祖父が実家に引っ越してきた関係で、部屋を無くしてしまった主人公のピーター(孫)。彼は部屋がなくなった事に憤慨し、祖父に対して部屋の明け渡しを求める【宣戦布告】を行った……というお話。


祖父・エドは大人なんだし部屋を奪われた子供に反撃するなんて……と、最初はピーターの肩を持ってしまうのだが、ピーターの悪戯……と呼べるかどうか微妙なラインにすら感じる邪悪な行いに、エドの反撃も気持ちよく見ることのできる作品。


そもそも先述したホームアローンは、自分の家に侵入しようとした強盗犯に対する正当防衛だから許されているだけであって、家族にあのような悪戯を仕掛けるのは完全にライン越えである。シェービングクリームと接着剤を入れ替えるな、大きめのヘビをけしかけるな。


とはいえ、本作の主題は思春期の少年と妻を亡くした老人の精神的な交流であり、お互いに過激な悪戯を通して友情にも似た感情が芽生えていくという暖かいストーリー構成となっている。


一番面白かったのはエド率いる高齢者チーム対、ピーター率いる学生チームのドッジボール対決だ。海外ではこういった形のドッジボールがメジャーなのか、トランポリンを利用しながらドッジボールを行う。飛び交うボール、罵声、そして入れ歯。体力で劣る高齢者チームが知略で学生を出し抜いていくシーンは見物。


全体的に明るいムードで進んでいく映画なので、落ち込んだ日に見ても楽しい気持ちになれる。

1/9 SING/シング: ネクストステージ


2016年で一番面白かった映画はSING!と胸を張って言える僕なのだけれど、次回作に当たる本作はタイミングが合わなくて見に行けなかった。そんな中で、Prime Videoに導入されたので視聴。


本作はミュージカルという特性上、吹替派と字幕派の派閥争いがあるタイプの作品だと思うのだけれど、僕は吹替派なので吹替作品を見た感想を書いていく。


あらすじ:新しい劇場【ニュー・ムーン・シアター】が地元客から大人気になり、街の人気者になったバスター(コアラ)達。彼らは新しいステージへ踏み出すため、エンターテイメントの聖地レッド・ショア・シティで新しいショーを披露しようとするのだが……というお話。


劇座ができるまでを描いた一作目から、年月を経て【地元で有名な劇座】になった一同が更なるステップアップを目指すという構成。方向性としてはアニメ版の初代アイドルマスターに近い。


前作から吹替え声優が豪華な作品で、スキマスイッチの大橋卓弥演じるゴリラは相変わらずやたらと歌が上手いし、トレンディ・エンジェルの斎藤さんは、一時代が去っても相変わらず斎藤さんだった。


今作初登場した伝説のロックスター・クレイ(ライオン)も渋めの声色から、誰が声優になったか気になっていたのだが、歌声を聞いた瞬間に分かった。


なんと、Bzの稲葉だった。何を歌ってもBzの曲にしか聞こえなかったよもう。


新しく登場したキャラクターである狼娘のポーシャ(吹替えはアイナ・ジ・エンド)や、前作にも登場したスキマスイッチのゴリラの父親にも見せ場があり、海外アニメーションらしい動きの多い映画となっている。


特に、ポーシャの軽いノリと生き生きとした演技、ハスキーな歌声が凄く好きで、アイナが所属するバンドグループ【BiSH】の動画を最近リピートしている。

1/14 US


特徴的なポスターで話題を呼んだホラー映画。自分と同じ顔をした『何か』に襲われるという作品。US とは『私たち』を意味する単語だが、US……つまり、United States 、アメリカを指す単語でもある。Prime Videoにて視聴。(レンタル400円)


あらすじ:幼い頃、遊園地のミラーハウスで自分自身に出会うという奇妙な体験をしたアデレードは、結婚して産まれた子供二人と幸せに暮らしていた。彼女達が一家でカリフォルニアへ旅行に行った日の夜、自分たちとそっくりの顔をした『何か』が彼女たちに襲い掛かる。……という話。


『何か』は姿形こそ家族に酷似しているが、ある個体を除いて話すことができない程に知能が低く、獣のようにアデレード達に襲い掛かる。


自分と同じ顔をしているが、全く違う知能・思考をしている何か……というのはそれだけで不気味に感じる。鏡の中の自分が微笑みかけてくるような不気味さ、自分だけど自分ではない存在の脅威を描くのが巧みな作品だった。


被害が家族だけに収まらなかったというのも評価できる。劇中では、主人公たちだけではなく、周囲の家族に似た『何か』も続々と登場し自分たちのオリジナルを殺害しようとする。


また、彼らは基本的に言葉を話せないので、何故アデレード達を襲うのかも断片的にしかわからない。そんな理解できなさも、また気味が悪い。


本作では『何か』の知性が低く、仮にオリジナルを殺したところで成り替わることは不可能だ。だが『何か』がより知性のある生物で、成り替わった後にその家族を完璧に演じられるとしたら……と考えて、恐怖が加速した。


例えば、僕そっくりの何かが、君達そっくりの何かが現れたら、それにオリジナルである僕たちが成り替わられたら、それに誰も気付かなかったら……完全な殺人というのはこういった物かと思考した。


オチは予測できるが面白いので是非見てほしい作品。あと子供達が無駄に強い、女性も強い、物理的に。

1/15 アンテベラム


USと同じプロデューサーが手掛けたホラーサスペンス映画、USでも女性同士の激しい殴り合いがあったが今作にもある。プロデューサーの趣味なのかもしれない。Prime Videoにて視聴(レンタル400円)。


あらすじ:黒人女性のエデンは、アメリカ南部の農園で奴隷として虐げられていた。時は遡って、黒人差別的な社会を批判する作家のヴェロニカは、ある日何者かに拉致される。彼女らの数奇な運命は、徐々に絡み合っていく。


黒人差別が残っている社会への批判という重大なテーマを持った作品……なのかと思ったが、最後の復讐タイムでもうなんかめちゃくちゃになった。いや、面白かったんだけどさ。


この映画を語るにあたって最後のシーンを語らずにはいられないので、オチを少しお話ししてしまおう。


エデンが奴隷として虐げられていた施設から脱走する際に、これまでエデンに虐待をしていた監視官に復讐を行うシーンがあるのだけれど(脱出中なのでそんなことをしている場合ではない)


焼却炉に監視官3人を詰め込んで火を付けたり、女性監視官と壮絶な殴り合いを繰り広げた果てに、首に縄を引っかけて馬で引きずり回したり(脱出中なのでそんなことをしている場合ではない)壮絶な復讐シーンがあった。


焼却炉に監視官を詰め込んで火をつけたシーンでは、まるで聖火ランナーかと言わんばかりに火を掲げ、燃え盛る溶鉱炉と満月をバックに颯爽と歩いていくエデンを見ることができる。


復讐シーンのスッキリ感を越えるシュールな笑いに

ここ絶対笑いを取りに来てるだろ……ってなっていた。

1/19 千年女優


『パプリカ』の今敏監督の作品。クレジットで知ったのだけれど、今敏監督はキャラクター造形と脚本も手掛けているのだね。あまりにマルチクリエイターで驚いてしまった。Prime Video にて視聴(レンタル400円)。


あらすじ:芸能界を引退した伝説の大女優・藤原千代子が30年ぶりにインタビューに応じることとなった。千代子のファンだった立花源也は、カメラマンの井田恭二と共に彼女に会いに行く。立花はインタビュー以外にも、とある『鍵』を千代子に返すという目的があった。その鍵の正体は……という話。


あらすじで紹介したインタビューの目的というのが、昔千代子が女優として勤めた『銀映』の撮影所が潰れることに対する想いを綴るという物だったこともあり、千代子の過去を辿っていく形で回想が始まる。


千代子は現役時代に『男を追う女』の役が非常に巧みな女優だった。そういった設定や信条にも、過去を掘り下げていくとしっかりとした理由があり、話の造りが上手。


過去を回想する演出が面白く、インタビュアー達は彼女がかつて出演した映画の世界に巻き込まれていく形となる。藤原千代子に恋い焦がれる立花と、カメラマンの井田(まんま小野坂)は映画世界に翻弄されることになる。


そして、立花が千代子に返した“ 一番大事な物を開く鍵 ”とは何なのか。物語を最後まで見守って、答えが出ない部分を考察で埋めて、ようやく解答に辿り着けるのだろう。ちなみに僕は未だ辿り着いてない。


パプリカの時も思っていたのだけれど、今敏監督のキャラクター造形は顔の造りや特徴をはっきりと描き出すので『美人』に説得力がある。アニメ映画でここまで美人に説得力がある画風を僕は知らない。

1/24 黄龍の村


友人に薦められた作品。中国映画っぽい名前だが、バリバリのZ世代邦画である。監督は24歳の若手監督だが、良い意味で若手監督らしい展開が連続する映画だった。Prime Videoにて視聴(レンタル400円)。


あらすじ:レンタカーでキャンプ場へ向かう8人の若者たち。その途中、山の中で車がパンクしてしまった。電波も繋がらず、途方に暮れる若者達はとある村に行きつく。だがそこは、オンビダワラ様という神を祀る、食人文化のある村だった……というお話。


序盤は鬱陶しいほどに陽キャの慣れ合いを見せつけられるのだが、あそこは完全にアドリブだそうなので、序盤に登場する陽キャ達を演じた俳優は恐らく天性の陽キャなのだろう。


しかし、陽キャが村人に惨殺されてから、展開は大きく変わっていく。オンビダワラ様の謎とか村の掟とか、あまりに展開が衝撃的過ぎて段々どうでもよくなってくるので、頭を空っぽにして視聴することが出来る。


前半後半で毛色が全く違う映画であり、後半の展開をネタバレすると面白さが半減してしまうタイプの作品だと思うので多くを語ることは出来ない。強いて言うのであれば因習村系の映画+サプライズ(洋画)といった感じだろうか。


あまりにテンポがいいために満足感が凄いが、伏線回収と意外性のあるオチを盛り込んで、1時間で収まっている短めの作品である。


だが、よくよく考えたら普通の因習系の映画には中国拳法を操る女傑も登場しないし、日本刀を操るヤクザも登場しない。まあ、日本刀を操るヤクザの方は戦闘開始から10秒で日本刀を捨ててしまったのだけれど……うん、同じ映画の話をしているよ、いや、本当に。

1月に見た映画の感想

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