最近はそんなことも無いのだけれど、以前の僕の食生活は実に終わっていた。
配信活動を始める前や、始めた当時は『まともな飯を食え縷々道』と毎日のように言われたものだ。今日は、そんな僕の『終わっている食事』を紹介しようと思う。
かつて、僕は忙しい日の『代替食』として飴を主食としていた。ちなみに、食べていたのはコンビニなどに売っている『蜂蜜100%のど飴』である。
蜂蜜のもったりとした味わいが、何か良い感じに腹を満たしてくれるのだ。
しかも、飴を食べながら作業や読書ができるので、非常に時間効率が良い。
週の初めに蜂蜜100%のど飴を一袋購入して、一週間を掛けてちまちまと食べていくのである。まるで兵糧丸を食べる侍のような食生活を送っていた。
そんな生活を続けていたら、ある日ベッドから身体を動かすことができなくなった。
そう、普通に栄養失調である。
この時ばかりは、己の愚かさを恥じるしかなかった。
栄養失調になった僕は、魔王城の近くにあるダークマーケット(人間界で言う所のスーパーマーケットである)にて、弁当を買うことにした。
飴よりも割高ではあるが、弁当を食べておけば栄養失調で金縛りにあうことはないはずだ。そう考えた僕は、手近にあったカキフライ弁当を手に取った。
家に帰ってカキフライを食す……う、美味い!
長らくありついていなかったまともな食事に、僕の舌が、胃が、腸が、喜び勇んで踊りだした。この感動を味わうために、僕は毎日カキフライ弁当を食べ続けた。
ある日、魔王様から電話が掛かってきた。その時に、カキフライ弁当をずっと食べている旨を話した所、「一週間くらいカキフライ漬けかぁ、いいねぇ」と言われた。
彼の言葉に対し、僕は言った。
「いえ、既に一ヵ月と二週間の間、ずっとこれだけを食べています。」
魔王様は、しばらく黙った後、電話を切った。
二時間後、お手製の肉じゃがを持って僕の家に来た魔王様は、僕に同じ食べ物を一週間以上食べ続けることを禁止してきた。
魔王様に『もっとマシな食事を取れ』と命令された僕は、街を歩いて良さげなお店が無いかを探していた。
そんな時、あるインドカレー屋の看板が目に映った。
そのお店のシェフを務める外国人の写真が貼られていた看板には、キャストの名前の欄に『織田裕二』『要潤』『松本潤』と書いてあった。嘘を吐くな。
絶対何らかの法律に引っかかっていそうな看板に惹かれて、興味本位で店に入りマトンカレーを注文すると、今までに食べたことがない程に美味しいカレーが出てきた。
あの看板がある店で、ここまで美味しい物が出てくるのか……。
困惑しながらも、僕はその店のカレーの味にすっかり魅了されてしまった。
端的に言えば、胃袋を掴まれてしまったのである。
それ以来、人間界の関東に引っ越しをするまで、週三ペースでそのインドカレー屋に足を運ぶことになった。
引っ越しの前日には、店からのサービスでタンドリーチキンをご馳走してもらった。
今でも僕は、魔界に帰省するたびにその店に通っている。
食の変遷には、その人の思い出が詰まっている。
そんなことを考えてしまうエピソードだ。
縷々道 生我
2024-11-20 18:47:30 +0000 UTC蝶々
2024-11-06 04:19:51 +0000 UTC縷々道 生我
2024-11-05 16:37:28 +0000 UTC墓薙
2024-11-05 12:36:34 +0000 UTC