先日、都会でやっていた秋祭りに参加してきた。出不精な僕が祭に参加した理由は簡単で、夏に忙しさのせいで祭に行くことができなかったからだ。夏に行うべき行事を一切体験できなかった後悔を、少しでも解消したかったのである。
本当は一人で行こうと思っていたのだが、魔王様が仕事でこちらに来る日程が祭りの日とドン被りしていたため、彼にも来てもらうことにした。
魔界の祭とは違って、人の多い都会の祭は非常に盛り上がっていた。
他県から来た屋台や、専門店が出張店舗を出しているほどである。
規模間だけで言えば、今まで僕が参加したあらゆる祭の中で最も豪華だっただろう。
ただ、何処に行っても人がいて、人混みが苦手な僕は少しだけ酔いそうになった。魔界の祭だったら、明かりがついていない所に行けば、人が掃けた空間があるものなのだけれど、都会の祭はどこに行っても人がいるんだ。
人が多くいるからこそ、此処まで多くの屋台が開かれたりするのだろう。
しかし、人が多すぎるのも考え物だなと思うなどした。
◆◆◆
何度か配信では話したことがあるかもしれないが、僕は鬼のようにスーパーボール掬いが得意だ。あまりに掬いすぎて、魔界のスーパーボール掬いの出店では、未だに十年以上前に出した僕の記録がランキングに載っている。
そのため、「いっちょギャラリーを沸かせてやりますか~」という気持ちで、僕はスーパーボール掬いにチャレンジしてみることにした。どうやら、この祭のスーパーボール掬いは、掬ったボールを全て持って帰ることが出来る仕様になっているようだ。
いいのかな?本当に。僕のせいで、この店は閉業してしまう訳だが……。
イキりにイキりを重ねながら、僕はスーパーボール掬いに挑戦した。
全盛期の僕のスコアは、確か300個とか400個とか、そのくらいだった。
今回の僕のスコアは……36個だった。
原因は明らかだった。僕の腕が落ちたわけではない。
ポイ(掬う網)の強度が、あまりにも弱いのだ。
こんなポイでは、スーパーボール掬いを楽しむことができないではないか。
そう考えた僕は、他の客たちを見回した。
しかし、他の客たちはクソザコポイで5~10個を取得して満足げにしていた。
この人たちにとって、ポイの強度はこのくらいのものなのだろう。
その時、僕は理解した。
都会には、魔界と違って人口が多い。魔界の出店のように、一回のスーパーボール掬いで長時間ねばられてしまうと、客の回転数が悪くなってしまうのだ。
そのため、ポイの強度を弱くすることによって客の回転数を増やし、健全な営業を図ろうとしているのである。
なるほど、人口の違いはこういった所にも影響が出るようだ。
僕は敗北感に打ちのめされながらも、小さく笑ってその場を後にした。そして、スーパーボールを2個だけ持った子供に、自分の取ったボールを全て譲った。
この敗北は、明日の自分の糧にしよう。
そして、来年の夏は地元の祭に参加しよう。
長い隠遁生活で鈍った爪を、研ぎ直しに行くのだ。
祭の性質だけではなく、出店の性質までもが人工過密地域と過疎地域で異なってくることは、非常に勉強になった。
◆◆◆
帰り道、魔王様にこう言われた。
「いや~、でも、ポイが弱くて良かったねえ。」
「どうしてですか?」
「地元の祭でスーパーボール掬いの出店に何時間もいる生我くん。周りから結構変な目で見られてたからさ。」
訂正、やはり地元の祭りに参加するのは辞めておくことにする。
縷々道 生我
2024-10-28 12:21:04 +0000 UTCよーさん
2024-10-28 09:54:10 +0000 UTC縷々道 生我
2024-10-23 16:54:13 +0000 UTC縷々道 生我
2024-10-23 16:53:30 +0000 UTC蝶々
2024-10-22 18:11:33 +0000 UTC墓薙
2024-10-22 17:36:36 +0000 UTC