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縷々道 生我 from fanbox
縷々道 生我

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満員電車が無理過ぎた話

僕は、人混みが嫌いだ。

正確には、他人の匂いや温度が嫌いだ。


これは、配信や記事で何度も話していることだと思う。

そして、先日改めてその思いを胸に宿す出来事があった。


その日、僕は所用で東京に出ていた。用事を終えた僕は、20時頃に帰宅するために電車に乗った。なるべく空いている車両に乗るために、一本電車を見送って始発の電車に乗った……のだが、見送った電車には思ったよりも人が入らなかった。


結局、僕は見送った先の電車に立って乗る羽目になってしまった。


僕も含めて、並んでいる人が入り切った時点では、手狭だが余裕はある状態だった。しかし、出発の三分前になった時に、悲劇は起きたのだった。


どういう理屈かはわからないが、出発三分前に電車に駆け込んでくる人が急増したのだ。電車内の人を押し、詰め、外に出ている鞄を上に掲げて何とか電車の中に入ろうとする人々……。


別にこれが終電でもないのに、彼らは一体何をそんなに急いでいるのだろうか。寿司詰めになった電車の中でもみくちゃにされながら、僕は人間の余裕の無さを儚んだ。


満員電車の中は、香水と汗と人間の匂いでごった返していた。

カードショップより満員電車の方がよっぽど臭いよ、本当に。


少しでも群体になるために、車内の人々はぴったりと密着していた。手を上に掲げて、電車の窓に頬を押し付けて……それでも一分でも早く帰ろうとする姿勢は、なんだか不気味に思えた。時は金なり、覆水は戻らず、色々と言われているけど、現代の人間に時間が無いのだということは、存分に知ることができたよ。


満員電車に乗っていると、段々と気分が悪くなってきたので、僕は途中で電車を降りることにした。降車駅で一息ついてから、僕は空いている電車に乗って家に帰った。


家に帰った後、自分の服から他人の匂いがすることに吐き気がした。

知らない人の匂いと言うのは、僕にとってはとてつもなく不愉快な物だった。


慌ててお風呂場に駆け込み、身体を洗う。

何度も何度も、丹念に洗う。


お風呂に入って、髪を乾かした後、僕はすぐに寝床に付いた。


アレに毎日乗って帰れる人間は、本当に凄いと思う。


満員電車での光景は『人間は社会的な動物である』という言葉を、悪い意味で体現しているように思えた。


あれが『社会的』な姿なら、僕は社会的になどならなくてもいいな。


『グリーン車』を利用しようという人の気持ちが、魔界暮らしの時は全然わからなかったのだけれど……満員電車を利用して初めて気持ちが分かったよ。


次からは、僕もグリーン車を利用しようと思う。

数百円でこの不快さを抜け出せるのならば、決して安い投資ではない。


満員電車が無理過ぎた話

Comments

小柄だと確かに埋もれてしまうよね。 グリーン車旅行、ちょっとだけ良い思いをすることができるね。危険、回避していこうな。

縷々道 生我

満員電車 小柄な私は一回窒息で死にかけてからトラウマなので、 絶対に避けて乗っています… 臭いも苦手ですが、それより命の危険がある満員電車は、私にとっては怖いものですね… 先日の旅行でグリーン車を初めて利用しましたが、とても快適だったのでお勧めです〜!

蝶々

とりあえずKindleで落としたよ。所謂【ハイ・センシティブ】というわけではないけど、人の匂いにストレスが溜まってしまうというのは生き辛い物だ。 老いた後は誰からも離れたところに一軒家を立ててつつましく暮らしたいな。

縷々道 生我

千早茜『透明な夜の香り』という小説があります。尋常でないくらい嗅覚が鋭い調香師の話なんですが、他人の匂い、外の匂いに敏感すぎるが故に外界から隔絶された森の奥深くに住む男性です。 私はこれまで他人の匂いをあまり気にしたことがないタイプだったんですが、この小説を読んで初めて縷々道くんの感じる世界を垣間見た気がしました。ミステリ風味でもあるので機会があれば読んでみてください。表紙が青くて綺麗です。

墓薙


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